2024年度

【2024年度】

○初学者のための量子プログラミング学習環境に関する研究

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 世界的に量子コンピュータを活用できる人材の必要性が高まっている.量子コンピュータの利活用のためにはその動作原理の理解から量子プログラミングの修得が不可欠であるが,入門段階から効率的に理解できるようにするための方法については議論の余地が多い.本研究では,量子ビットの状態変化やBloch球上での量子ゲートの動きを理解しながらプログラムを作成する能力を育成するための学習環境について検討し,これを実現するためのシステムの試作を行った.試作したシステムでは,アルゴリズム中の量子ゲートの動作の可視化機能や,アルゴリズム作成のための課題出題機能およびその支援機能を実装し,これを量子プログラミング環境に統合した.
キーワード:量子コンピュータ,学習支援,量子プログラミング,大規模言語モデル(LLM),生成AI

(参考:ABDULLAH MADANI,水谷晃三:初学者のための量子コンピュータプログラミング支援環境の検討, 情報処理学会 第87回全国大会,5ZJ-06,2025.【学生奨励賞 受賞】)

○天井に下方へ向けて設置したRGB-Dセンサによる学生の行動認識手法の検討

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 教室内に設置したRGBセンサなどによって学生の行動を認識し,認識結果を活用して授業の改善を試みる研究が行われている.センサの設置の仕方によっては,遠方の学生の認識精度が低下することがある.また,グループワークなどでは通常時と異なる向きで学習活動を行うこともあり,オクルージョンが生じてそもそも認識できないことが起こりうる.これらの課題を改善するため,本研究では,天井に下方へ向けて設置したRGB-Dセンサで学生の行動を認識する手法を検討した.センサから取得したデータを授業中の学生の行動を学習させた物体認識モデルYOLOv8を用いて認識精度について検証した.
 キーワード:教育学習環境,行動認識,物体認識,Yolo,AI

(参考:森村光輝,田村律起,Mariana Mie Takaoka Okazaki,常松奏音,水谷晃三:天井に下方へ向けて設置したRGB-Dセンサによる学生の行動認識手法の検討,情報処理学会 第87回全国大会,5ZJ-05,2025.)

○手の動きに追従するUIにおける両眼視差による三次元表示方法の研究

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 3Dコンテンツを取り扱うことが増えてきた現在において,視差効果を利用して3次元情報を提示する方法が研究されてきた.その中に,手のひらを追従してUIを投影するコンピューティング環境を利用した,ユーザの視点位置の動きに合わせて映像を変化させて運動視差を再現する立体視を実現するCGシステムがある.本研究ではこのシステムにおいて手のひらの上に両眼視差を有する映像を投影して研究を行った.
 キーワード:拡張現実(AR),プロジェクションマッピング,立体映像

(参考:海老原健登,田村律起,水谷晃三:手の動きに追従するUIにおける両眼視差による三次元表示方法の研究,情報処理学会 第87回全国大会,7ZE-01,2025.)

○LLMと合成音声を活用した事前学習環境の研究

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 本研究は,事前学習における予習の効果を向上させることを目的とし,大規模言語モデル(LLM)と合成音声技術などを活用した対話型事前学習環境の実現を目指している.教授者が講義で使う資料をWebアプリケーションのリソースに保存すると,RAG(Retrieval-Augmented Generation)を用いて台詞を生成する.受講者は受講画面にアクセスすることで生成された台詞による音声と資料の画面を視聴しながら講義を受けることができる.本研究では,このコンセプトに基づくシステムの実用化のため,台詞生成の妥当性についても併せて評価した.
 キーワード:教育学習支援システム,大規模言語モデル(LLM),RAG,台詞生成

○制御構造における変数の値変化や役割の理解のための可視化機能の検討と試作

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 本研究では,飯田ら(2016年度を参照)が考案した,ソースコードの可視化方法に基づくプログラミング学習支援システムにおいて,制御構造の値変化や役割の理解のための可視化機能の拡張を検討した.具体的には,配列と関数への対応を検討した.配列については,配列要素に応じて関係行マーカやスコープのサイズを変更し,配列要素の値変化の理解を促進するために,2つの表示方法を実装した.関数については,関数の範囲を表現し,関数名や仮引数名を,関数を示すブロックの上部に表示し,関数内部の処理や仮引数の値の変化が分かるように可視化することを検討した.
 キーワード:プログラミング教育,学習支援,可視化,アルゴリズム理解

○講義資料に基づくプログラミング学習のための生成AIによる支援方法の研究

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 近年,生成AIのコーディング技術が発展していき,プログラミング講義の課題で活用する学生が見られるようになった.しかし生成AIの回答には講義に未登場の知識が含まれる可能性があるため,課題の解決ができても講義内容の理解が不十分になってしまう恐れがある.そのため,本研究では大規模言語モデル(LLM)が講義資料を参照して回答文を生成する支援システムを実装して,講義内容に沿った支援の実現を目的とする.本研究では支援システムをVSCode拡張機能として実装した.拡張機能として実装することによりコーディング画面内でLLMに質問することができるため,効果的な支援が可能になると期待される.
 キーワード:プログラミング教育,学習支援,大規模言語モデル(LLM),RAG,バイブコーディング